アジア・太平洋エリア
インド、ベトナム、インドネシア、ハワイなどがこのエリアに含まれます。
この中でも特にベトナムとインドネシアはコーヒーの生産が盛んな国になります。
品種はロブスタ種が中心ですが、数少ないアラビカ種はスマトラ島のマンデリンやハワイのコナなど、高級銘柄が多くあり、特徴的な精製方法やブランド力で異彩を放っています。
アジア・太平洋エリア
- インドネシア
- ハワイ
インドネシア

歴史
インドネシアにおけるコーヒー栽培の歴史は1699年、
オランダ人がイエメンのコーヒーをジャワ島に移植してからはじまります。
19世紀後半にサビ病でコーヒー農園が大ダメージを受け、
ほとんどの農家がロブスタ種に切り替えました。
現在もロブスタ種の栽培が全生産量の9割を占めていますが、
残り1割で質の高いアラビカ種のコーヒー豆が生産されています。
特徴
アラビカ種の栽培で代表的なものがスマトラ島で生産されている「マンデリン」です。
ブルーマウンテンが登場するまで、マンデリンが世界のコーヒー豆の最高級ブランドと言われていた時代もありました。
他にもスラウェシ島のトラジャ地方の「トラジャ」、ジャコウネコの糞で精製されるコピ・ルアクなどもよく知られています。
製法と品種
精製方法はスマトラ島のスマトラ方式が有名ですが、
他の地域ではナチュラルが95%くらいを占めています。
アラビカ種の栽培品種は初期の頃にイエメンからもたらされ定着した
在来種が現在も多く残っています。
コーヒーデータ
- 主な栽培品種:カチモール、ティピカ、ロブスタ、スマトラ在来種
- 主な精製方法:スマトラ式、ウォッシュト、ナチュラル
- 主な産地:スマトラ島、スラウェシ島、ジャワ島
- 主な豆の銘柄と味:
- [スマトラ・マンデリン]フルーティーな香りと甘味、マイルドな酸味と苦味。
- [セレベス・トラジャ]上品な香り、まろやかな苦味と甘味
- [ジャバ・ロブスタ]独特の香りとコク。ストレートでもいける。
- [スマトラ・ガヨマウンテン]マイルドな風味、豊かな酸味
- [スラウェシ・カロシ]あっさりした味わい。ブレンドにも最適。
- [バリ・アラビカ]マイルドな風味。
世界で第2位のロブスタ種のコーヒー豆生産地
インドネシアはベトナムに次ぐ世界で第2位のロブスタ種のコーヒー豆生産地です。

ハワイ
ハワイはカウアイ島、マウイ島、ハワイ島などでコーヒーが生産されていますが、
特にハワイ島のコナ地区で産出されるコーヒーはシングルオリジン(ブレンドを行わない・産地を統一することでブランド力を上げた物)の最高級ブランドとして世界的に有名です。
対してカウアイ島やマウイ島のコーヒーはほとんどアメリカ国内で消費されています。

特徴
ハワイ島のコーヒーノキは他の品種と交配させないよう政府によって厳しく管理され、
純度が高いティピカが多く残っています。
また、海外に輸出されるコーヒー豆の基準も一定のグレードを保たれており、
コナコーヒーのブランド力を強固なものにしています。

コーヒーデータ
- 主な栽培品種:ティピカ
- 主な精製方法:ウォッシュト
- 主な産地:コナ地区(ホルアロア、キャプテンクック、ホナウナウ)
- 主な豆の銘柄と味:
[ハワイコナ・エキストラファンシー]最高級グレード。柑橘系の香り、ほどよい酸味、バターのような甘みとコク。
グリーンウェル農園
コナ地区で1850年からコーヒーを生産しているグリーンウェル農園。
1990年代に線虫の深刻な被害にあい、年間10%〜15%づつ作物が荒廃してゆく危機に見舞われました。オーナーのグリーンウェル氏は大学の研究室などに相談し、
線虫に強いリベリカ種の根にティピカを接木する方法で見事持ち直し、現在も良質のコナコーヒーを世界に送り出しています。