ペーパードリップの種類

ペーパードリップのドリッパーには複数の種類があり、各ドリッパーともに、
いかにコーヒーの旨味成分を最大限に引き出し、雑味の抽出を最小限に抑えるかが工夫されています。
大きく分けて「台形型」と「円錐型」の2種類があり、
推奨されている抽出方法や使用するペーパーフィルターも異なるので、
各ドリッパーのガイドラインに沿った淹れ方をすることが大切です。
抽出方法の違いは主にドリッパーの内側の「リブ」と呼ばれる
溝の形状、穴の数、大きさに依っています。
メリタ式
- 形:台形型
- 穴数:底に小さな穴が1つだけ空いている
- 人数は1〜2人前向き
- 粉量(目的の抽出量):カリタ式と同量
120ml:10g
240ml:18g
360ml:26g
特徴
1908年、ドイツ人のメリタ・ベンツ氏が初めて紙でコーヒーを濾す方式を生み出しました。
メリタ氏が開発した当初のものは穴が複数空いていましたが、
その後8つに減り、さらに改良が重ねられ、
1960年代くらいから現在のような1つ穴の形式が主流になりました。
穴の数が1つだけなので湯だまりができやすく、透過式ですが浸漬式の利点も兼ね備えています。
淹れ方のコツ
抽出のコツは2湯目以降の注湯で目的量のお湯を一気に注ぐことです。
カリタ式
- 形:台形型
- 穴数:底に小さな穴が3つ空いている
- 粉量(目的の抽出量):メリタ式と同量
120ml:10g
240ml:18g
360ml:26g
特徴
カリタ式は、メリタ式よりも穴数が多いことで、湯だまりができにくく、
メリタ式よりはお湯の注ぎ加減で味の調節がしやすいのが特徴です。
コーノ式
- 形:円錐型
- 穴数:底に大き目の穴が1つ空いている
- 粉量:粉の量はカリタ式より3分の4くらい多めにする
特徴
リブは穴の周辺にだけ走っています。
リブのない部分は紙がドリッパーの内側にはりついてお湯が横から流れなくなり、
粉の表面の泡に吸着されたアクがサーバーに流れこまない構造になっています。
淹れ方のコツ
カリタ式以上に穴が大きくて湯だまりができにくいので、
お湯の注ぎ加減で味の調節がしやすくなっていますが、
そのぶんテクニックが必要です。
カリタ式のように蒸らし時間は必要なく、最初から点滴のように少しづつ中央にお湯を注いでゆき、
だんだん範囲を広げて早く注いでいきます。
後半はリブのある部分まで液面が下がらないように注湯の勢いをキープするのがポイントです。
ハリオ式
- 形:円錐型
- 穴数:底に大き目の穴が1つ空いている
- 粉量:粉の量はカリタ式より3分の4くらい多めにする。
特徴
底に大き目の穴が1つ空いているところはコーノ式と同じですが、
リブがドリッパーのふちまでらせん状に走っているのが特徴です。
このリブが蒸らし効果を最大限に高めてくれます。
淹れ方のコツ
コーノ式と同様、穴が大きいのでお湯の注ぎ加減で味の調節がしやすくなっています。
淹れ方のコツはコーノ式を参考にしましょう。
ウェーブフィルター
- 形:台形型
- 穴数:底に3つの穴が三角形に空います。
特徴
リブがなく、ウェーブ型のペーパーフィルターを使います。
ペーパーフィルターのウェーブの外側がリブの役割を果たし、
同時にコーヒーの粉がウェーブの内側にたまり、粉の厚い壁ができることで
側面からも効率的にコーヒーが抽出されます。
淹れ方のコツ
抽出するときはお湯をウェーブの近くに決してかけないことがコツです。
カリタ式と同じ会社が製造しており、こちらが近年カリタ式の主流になってきています。
ケメックス式
円錐型のドリッパーとサーバが一体になったもので、
穴は大きくてもリブがないので抽出の流れは遅くなります。
各ドリッパー比較
