アレンジコーヒーをレベルアップさせるバリスタの技を修得する

バリスタといえば、コクの有るエスプレッソに密な泡のミルクの
デザインの高いカプチーノやカフェラテをイメージする人も多いでしょう。
ラテアートやデザインカプチーノとは、ホットのエスプレッソとミルクをベースにつくる
様々なエスプレッソドリンクの表面に描かれる様々なアーティスティックな技術であり、
そのデザイン性の高さから今コーヒーのなかでも人気の高い技術です。
例年開催されている世界大会では、
毎年世界中から集まったバリスタたちが頂点を目指し技術を競います。
このムーブメントは、エスプレッソ発祥の地イタリアで生まれ、その後アメリカに渡り、
カナダ、オランダ、日本へと広がりました。
日本では、スターバックスなどのセカンドウエーブなど
シアトル系コーヒーショップチェーンのブームも手伝い、一躍多くの人に知られる事となります。
ラテアートとデザインカプチーノの違い
どちらもホットのエスプレッソとミルクをベースに作ったドリンクに
デザイン性の高いアートをつくるという意味では同じものですが、
業界では一般的に「ラテアート」と「デザインカプチーノ」と区別された呼び方をされており、
その作り方や用いる道具などに違いがあります。
ラテアートとデザインカプチーノの主な違い
- ミルクのフォーム(泡)の量
- 使用する材料
- 使用する道具
ラテアート

ラテアートは、ミルクピッチャー以外の道具を使わずに、エスプレッソにミルクを注ぐだけで、
ハートやリーフなどのアートを作り出します。
ミルクの注ぎはPourといい、フリーポア(Free Pour)とも呼ばれています。
- スチームドミルクを用いる
- 断面図で見ると、フォーム(泡)のミルクは上1cmほど
- 使用する道具はミルクピッチャーのみ
デザインカプチーノ

デザインカプチーノは、多くの空気を取り込んだキメ細やかでなめらかなフォームドミルクを用います。たっぷりのフォームドミルクの上につまようじやピックなどの道具を用いてデザインを描いていきます。
- フォームドミルクを用いる
- デザインを描くのにつまようじやピックを用いる(エッチング)
- ココアパウダーを用いてアートをする場合もある
- 断面図で見ると、フォーム(泡)のミルクはカフェラテよりも倍以上となる
新しい潮流 Free Pour Latte Art
ラテアートは時代とともに進化し続けており、北米で発展したのが
Free Pour Latte Art(フリーポアラテアート)です。
それまではミルクの上に描かれるラテアートはひとつのハートや
ひとつのロゼッタ・リーフが一般的でしたが、それらの典型的なアートから一歩抜け出し、
デザイン性が飛躍的に高まりました。
カップからミルクが溢れるギリギリのところまで注ぎながら描きだされるアートの数々は、
まさに北米らしいエキサイティングさを兼ね備えており、
危険を伴う過激な度胸試し要素を含んだ「エクストリームスポーツ」になぞらえて、
「Extreme Latte Art」と表現されることもあります。
シアトルを代表とする西海岸でフリーポアが発展した背景には、
このようなエキサイティングなスポーツを好む地域性が関係しているとも言われています。
世界的に注目を集めつつあるこの新しい潮流は、
北米やヨーロッパ、オーストラリアなどで開催される世界大会により技術が発展、
より高いデザイン性と美味しさで頂点が競い合われています。