コーヒー豆のグレードの基準
コーヒー豆の精製が終わり、出荷されるまでの間に、生豆のグレード分けが行われます。
グレード分けの基準は各生産国によって異なりますが、
主に採用されている判断基準は
「スクリーンサイズ」「標高」「欠点数」「カップテスト」の4つです。
これらの中から1項目または複数項目を採用する形で
各生産国が独自のグレードを決めています。
スクリーンサイズ
スクリーンとは生豆をサイズ別にグレード分けする際に用いられる「ふるい」を指します。
生豆の粒が大きいほど、味と香りが優れたコーヒーになるとされています。
このふるいにかける選別方法を「スクリーニング」と言い、
生豆の大きさのことを「スクリーンサイズ」と言います。
ですがスクリーンサイズは単位としてもよく用いられるため、省略してふるいと同じ「スクリーン」と呼ばれます。
なお、売買では単位としての意味の方がよく使われます。
このグレード基準はコロンビア、タンザニアなどで採用されています。
また、ケニアやハワイコナなどは、1個のコーヒーチェリーに生豆が1個だけしか出来なかった
ピーベリーを別枠としてグレード分けしているところもあります。
標高
一般に、コーヒー豆は標高の高いところで栽培されたものほど品質が高いとされています。
標高の高い農園は昼夜の寒暖差がほどよくはっきりしていて、風味豊かなコーヒー豆が育ちます。
このグレード基準はメキシコ、グアテマラ、エルサルバドルなどで採用されています。
欠点数
欠点数とは、未熟豆、異物、欠点豆、貝殻豆などの混入している割合を指します。
異物とは小石などのコーヒー豆以外の混入物を指します。
また、欠点豆とは、菌で発酵し黒く変色したもの、カビがついているもの、
虫が食っているもの、欠けているもの、
乾燥した果肉がへばりついているコッコ(ブラジルで「糞」を意味する言葉)、
外側だけで中身がえぐれたようになっている貝殻豆、などです。
これらの欠点豆が混ざっていると、渋み、えぐ味、カビ臭、発酵臭などの原因になります。

これらの混入物の種類や大きさによって減点数が異なり、
欠点数が少ないほどグレードが高いと判断されます。
このグレード基準はブラジル、インドネシアで採用されています。
カップテスト
生豆を実際に焙煎して粉に挽いて、お湯に浸して抽出させたものを吟味し、
その香りと味でグレードを判定します。
この行為を「カッピング」と言います。
カッピングに関してはLesson12で詳しく学習しますが、
コーヒー豆の品質を客観的に評価する最も一般的な方法として、広く行われています。
グレード基準はブラジル等で採用されています。

生産国別のグレード方法一覧







(国旗画像の出典:en.wikipedia.org/wiki/ の各国ページ)
(*1)「S」はスクリーンサイズの単位。S1は64分の1インチ。
(*2) ブラジルは「欠点数」「スクリーン」「カップテスト」それぞれ個別に判定。
(*3) 300gの生豆に含まれる欠点数で採点。欠点が1つも無いことは有り得ないとの考え方から、No.1は設けていません。
(*4) 300gの生豆に含まれる欠点数で採点。G8までグレードがありますが、海外に輸出されるのはG5まで。
※販売業者によっては、まれに「AA」や「SHG」など最高級のグレード表記がついていても、品質がそれに見合っていない場合があるので、注意が必要です。
その他の生産国でのグレード方法
タンザニアやニューギニアはケニアとほぼ同じグレード方法を採用しています。
また、ペルーは欠点豆の除去方法によってグレード分けをしており、
機械でスクリーニングしたものより、その後でハンドピック(手作業)もしたもののほうが
高く評価されます。