Lesson9-5 ラテアートの修得

美しいラテアートのための3つのポイント

フォームドミルクがうまく作れるようになったら、いよいよラテアートに挑戦しましょう。
美しいラテアートを描くためには、3つのポイントがあります。

①フォームドミルクの質感

  • きめ細やかクリーミーであること
  • つやがあること

ミルクのフォームが滑らかでなかったり、泡が荒かったりすると美しいアートが描けません。
そのため、ボリュームアップで作ったフォームを、
テクスチャリングで充分につぶしてキメを整えることが大切です。

②コントラスト

  • クレマの色の濃さとフォームドミルクの真っ白なコントラストがはっきりしていること

エスプレッソ抽出の一つのポイントだったクレマは、ラテアートにおいても重要です。
キメが細やかで上質なクレマは色も美しく、コントラストもはっきりと出ます。

③カップ内の絵柄のサイズと位置

  • カップの大きさに適した絵柄のサイズであること
  • カップの中心に絵柄の中心があり、バランスよく広がっていること

どんなに美しい形でアートが描けても、大きすぎたり小さすぎたり、
また中心がずれているなどバランスが悪いものでは、
ラテアートとしての完成度は低い物となってしまいます。

完成図を予想して、思い通りの位置と広がりで描けるようにしましょう。

ピッチャーの持ち方と振り方

基本的なピッチャーの握り方

取手に4本の指を入れ、親指で上部を押さえる形で握ります。
ピッチャーを振る時もぐらつかないように、手首より下を固定します。

mrmohock/Shutterstock.com
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ピッチャーの振り方

ミルクを注ぐ際にピッチャーを振る動作を行いますが、これはクレマを柔らかくし、
色ムラなどのシミを消すための動作です。
振りの動作は左右対称が原則で、ピッチャーがぐらつかないように、
手首だけでなく肘を起点として振ります。

ピッチャーの振り方

ミルクの注ぎ方

エスプレッソの上からミルクを注いで作るラテアートですが、その注ぎ方には3つの工程があります。この要素を分解して理解することで美しいアートが描きやすくなります。

ステップ1:クレマの下にミルクを沈める

ミルクをエスプレッソに差し込むイメージで、カップを傾けエスプレッソの中央めがけて細く注ぎます。約5cmほどの高さから優しく注ぎ入れましょう。この時、クレマの下にミルクが沈み込んでいきます。この状態をキャンバスとも言います。

Kzenon/Shutterstock.com
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ステップ2:クレマの上にミルクを引き出す

カップにピッチャーを近づけて注いていくと、白いドットのようにミルクが浮き上がってきます。
この時、クレマとフォームミルクの比重が同じになっている状態です。

ステップ3:ピッチャーを振り、デザインを描き始める

白いドットのようにミルクが浮き上がったら、ピッチャーを振り、絵柄を描き始めます。

praphab louilarpprasert/Shutterstock.com
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基本のカフェラテ

シングルハート

ハートはピッチャーの動きだけで描くデザインの基本となります。
ここからマスターして行きましょう。

jabkitticha/Shutterstock.com
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作り方

  1. ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
  2. ピッチャーを軽く左右に振り、白い丸を広げていきます。
  3. カップを水平に戻しながら、液面が充分な量になったら、模様の中央を横切るように手前から奥に縦方向に向かって動かします。
  4. ピッチャーを斜めに上げながら、ハートの角を出すようにして細く引き上げて完成です。最後のタイミングを焦らないように、細い線を引き出しましょう。

動画で修得!シングルハート

ラテアートの本場、アメリカ・ニューヨークTHIRD RAIL COFFEEのバリスタから、シングルハートの作り方を学習しましょう。
1:30〜グラインダーで豆を挽く工程、マシンでのエスプレッソ抽出、2:00〜ミルクのスチーミング工程、2:30〜ラテアート工程となります。

リーフ(ロゼッタ)

ハートよりもレベルアップし、コツを掴むまでは難しいリーフですが、
個性を出しやすく人により様々な表情を見せてくれます。

Sergey_Bogomyako/Shutterstock.com
Sergey_Bogomyako/Shutterstock.com

作り方

  1. ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
  2. 白い模様が浮かんできたら、ピッチャーを左右にゆっくり振りながら手前に引いていきます。
  3. 外側の柄が縁にそって広がってきたら、左右の振り幅を小さくしながら、さらに手前に引いていきます。
  4. 液面がカップの縁にくる直前に、模様の中央を横切って手前から奥に切るように進め、リーフの中心の筋を通します。
  5. カップの縁までいったら、ピッチャーをすっと引き上げてミルクを注ぎ止めます。

動画で修得!ロゼッタ(リーフ)

0:30〜ロゼッタリーフーのアート工程が始まります。

チューリップ

チューリップは、ハートを複数重ねることによって描き出すラテアートです。
これまでの動作とは少し異なり、ミルクを前へ押し出すように注ぎ、ピッチャーを引き上げる、
という動きを繰り返します。このリズムを崩さないことがポイントです。

behindlens/Shutterstock.com
behindlens/Shutterstock.com

作り方

  1. ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
  2. 中くらいの丸が浮かび上がったら、一度振りをとめてピッチャーを引き上げます。
  3. 一つ目の丸より少しスペースを開けて、手前に小さな丸を浮かべるように注ぎます。ミルクをカップの奥へ押し込むイメージで、リズムよく引き上げます。
  4. 同様にして前よりもすこし小さいドットを作ります。同じ感覚になるよう意識し、この動作を2回繰り返します。
  5. 最後のドットではピッチャーを引き上げずに、そのまま全体のデザインを貫くように、チューリップのセンターラインを入れて完成です。

ハート・イン・ハート

Singkham/Shutterstock.com
Singkham/Shutterstock.com

作り方

  1. ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
  2. ピッチャーを軽く左右に振り、白い丸を広げていきます。
  3. カップを水平に戻しながら、白いまるが広がったらピッチャーを素早く引き上げます。
  4. ハートのくぼみとなる部分からカップの中心に、2度目のミルクを注いで行きます。このとき、軽く振るような気持ちで注ぎます。
  5. ミルクが表面に大きく浮かび、液量が十分になったら、 模様の中央を横切るように手前から奥に縦方向に向かって動かします。
  6. ピッチャーを斜めに上げながら、ハートの角を出すようにして細く引き上げて完成です。最後のタイミングを焦らないように、細い線を引き出しましょう。

様々な応用ラテアート

ダブルリーフ

出典: www.flickr.com
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フリーポアでは、このように複数の模様が組み合わせてデザインが描かれます。
チューリップとハート、リーフなどが複雑に描かれています。

出典: commons.wikimedia.org
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