デザインカプチーノのための3つのポイント
ラテアートと合わせて、エスプレッソアレンジとして次に習得したいのがデザインカプチーノです。
ミルクとピッチャのみを使用してデザインするラテアートとは異なり、
様々な素材を使用することで、よりデザインの幅が広がるという面白さもあります。
デザインカプチーノの技術を上達させるために、まず3つのポイントを押さえましょう。

①フォームと液体のバランス
カフェラテよりもミルクのフォーム(泡)が多いのがカプチーノです。
だいたいエスプレッソ:スチームドミルク:フォームドミルク=1:1:1の割合になっています。
ただ、フォーム部分が多すぎても、液体部分が多すぎてもおいしいカプチーノにはなりません。
理想はカプチーノカップで飲んだ際に、口に入る液体と泡の量が同量だけ入ってくるような配合です。
②カプチーノカップを用いる
カプチーノは、カプチーノカップで飲んでこそ、その美味しさが味わえます。
カプチーノの美味しさのポイントはフォームと液体のバランスだと学習しました。
ティーカップやマグカップと比較してもカップの厚みがあるカプチーノカップは、
飲んだ時に程よい配合で口に入ってくるように設計されています。
他のカップで飲んだ時とその違いは一目瞭然です。
③バリエーションが広がるデザインカプチーノ
デザインカプチーノは、ラテアートとは少し異なり、
ココアパウダーやピックなどの道具を使用することで、より様々な絵を描くことができます。
自由な発想でいろいろなデザインを楽しんでみましょう。
基本のデザインカプチーノ
カプチーノ・コン・カカオ
ミルクを注ぐ前のエスプレッソにココアパウダーを注ぐ事で、
ひと味違った風味とコントラストが楽しめます。

作り方
- エスプレッソを抽出し、カプチーノカップに入れます。
- エスプレッソの上に適量のココアパウダーを茶こしでふるい入れます。
- Lesson9-4のフォームドミルクの作り方でフォームドミルクをつくり、ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
- ここからはハートやリーフなどを描く時と同様に、ピッチャーを動かしましょう。ココアパウダーが表面にあることで、また違ったコントラストが生まれます。

カフェ・マキアート
マキアートとは、イタリア語で「シミ」を意味する言葉です。
エスプレッソにフォームドミルクを注ぐ点では同じですが、
カプチーノとはエスプレッソに対するミルクの比率が異なります。
特に規定の割合があるわけではありませんが、
だいたいミルクの量はカプチーノの1/3程度となるのが一般的です。
全体量が少なくなるので、カプチーノのよりも小さめのカップに入れるとよいでしょう。
マキアートはエスプレッソの風味を強く感じられるので、
食後やエスプレッソを楽しみたい方にもお勧めのアレンジです。

作り方
- エスプレッソを抽出し、カップに入れます。
- エスプレッソソロ(約30ml)に対して、40ml程度のミルクを注ぎます。余分量も考慮して計量し、Lesson9-4のフォームドミルクの作り方でフォームドミルクを作ります。
- フォームドミルクをカップに注ぎ入れながら、ハートやリーフなどを描く時と同様に、ピッチャーを動かしましょう。ミルクの量が少ないですが、簡単なアートなら可能です。
ミニハート
今までのハートはピッチャーから注ぐミルクで描いていましたが、
こちらは最後にスプーンとピックを用いるアレンジです。
ハートの配置や大きさなども自由自在で、お子様とも一緒に楽しめるアレンジです。

作り方
- エスプレッソを抽出し、カプチーノカップに入れます。
- Lesson9-4のフォームドミルクの作り方でフォームドミルクをつくり、中央からミルクを注ぎます。ミルクの白いドットが浮かび上がってこないよう、エスプレッソの中央に静かに注ぐ事がポイントです。
- ピッチャーに残った泡をスプーンですくい、液面に静かにのせていきます。写真では渦をまくように9個の丸を載せていますが、カップの縁を飾るデザインや、縦に並ぶデザインなど、自由に描く事ができます。
この時、泡が緩いと美しいハートにならないので、エスプレッソマシーンで作ったしっかりとした泡を用いることがポイントです。 - ピックを用いて丸と丸を繋げていきます。丸の中央を貫くように筋を通すと、きれいなハートになります。
ベア
一見難しそうに見えますが、丸の組み合わせなのでコツさえ掴めば
チャーミングなベアを描くことができます。
ポイントは、顔と鼻の2つの丸の作り方です。

作り方
- エスプレッソを抽出し、カプチーノカップに入れます。
- Lesson9-4のフォームドミルクの作り方でフォームドミルクをつくり、ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
- ラテアートのハートを作るように中央に丸い模様を作ったら、ピッチャーを奥に押すイメージで一度注ぎを引き上げます。
- 大きな丸のすぐ下に小さな丸を描きます。この時、大きな丸との間にクレマの筋が入るようにし、こちらも押しこむようなイメージでピッチャーを引き上げます。カップがいっぱいになったら輪郭の完成です。
- スプーンでピッチャーに残った泡をすくい、耳となる部分に2つの丸を置きます。
- 目、鼻、口の部分を描きます。ピックでクレマをすくい取り、それぞれの部分を描いて完成です。可愛らしい顔にしたい場合には、目と鼻を近づけ、ほほも描いてみましょう。
デザインカプチーノのアートを上手に描くポイント!
絵を描くことに苦手意識を持っている方は、デザインカプチーノでもキャラクターなどを描く事に不安があるかもしれません。しかし、デザインカプチーノのアートを描くポイントは意外と簡単です。
絵は中心からバランスをとって描くようにしましょう。例えば、ベアも目から欠かずに、一番の中心である鼻から描くようにします。
こうすることで全体のバランスが取りやすくなり、まとまりのある絵が描けます。鼻の位置を決めると表情も変えやすく、鼻に近い位置に目をかくと可愛い印象に、離すとひょうきんな表情となります。
ベーシック・ラビット
キャラクターを描けるのはデザインカプチーノの特権です。
ラビットは人気が高いデザインで、意外と簡単に描けるので、ぜひマスターしましょう。

作り方
- エスプレッソを抽出し、カプチーノカップに入れます。
- Lesson9-4のフォームドミルクの作り方でフォームドミルクをつくり、ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
- 少し手前に小さな丸を作ります。
- その丸の中央を横切るようにピッチャーを縦に動かし、途中で丸の2/3程で止めます。
- 止めた場所で再度丸を作ります。これで輪郭の完成です。
- カップの向きを変えて、表情を作ります。表面のクレマをピックの先にすくい、耳、目、鼻、口を描きます。
- ひげは内側から外に向かって先細になるように線を描き、完成です。
カプチーノ・コン・カカオラビット
カプチーノ・コン・カカオの要領で、エスプレッソの上にココアパウダーを振るってから
ラビットアートをすることで、異なる表情を作り出す事もできます。
クレマのみよりもカラーが出やすく、細かいアートが可能となります。
キャット
ベア、ラビットと合わせて、マスターしたい3つめの動物アートです。
複雑なように見えますが、顔の楕円がキレイに描ければ意外と簡単です。

作り方
- エスプレッソを抽出し、カプチーノカップに入れます。
- Lesson9-4のフォームドミルクの作り方でフォームドミルクをつくり、ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
- 猫の顔を描きます。輪郭となる丸は楕円になるようにふっくらと横に広げます。ミルクが浮き始めた段階で細かく左右に振ると、楕円に広がりやすくなります。
- カップの向きを変え、顔を描いていきます。耳は、先が丸くなっているスティックでミルクフォームを突き出させ、逆三角になるように形を整えます。
- 表情を作ります。表面のクレマをピックの先にすくい、耳中、目、鼻、口を描きます。
- ひげは内側から外に向かって先細になるように線を描き、完成です。
スノーマン
冬のデザインカプチーノには欠かせないのがスノーマンです。ピックで描く部分が多い分、様々なアレンジが可能です。

作り方
- エスプレッソを抽出し、カプチーノカップに入れます。
- Lesson9-4のフォームドミルクの作り方でフォームドミルクをつくり、ミルクの注ぎ方のステップ3まですすめ、表面に白く丸い模様ができはじめたら、ピッチャーの注ぎ口をカップに近づけていきます。
- 基本の丸を大きめにカップの中央に作ります。少し奥に押すイメージでピッチャーを一度あげます。
- すぐ手前に小さな丸を作ります。カップを水平に戻すようにしながら、小さな丸を大きな丸に押し込むようにして注ぎます。
- 縁まで注いだら、小さな丸の終わりは、手前にひくようにします。こうすることで角のような形になり、スノーマンの帽子部分となります。
- カップの向きを変え、表情を描いていきます。表面のクレマをすくい、鼻、目、口、帽子の模様と、超ネクタイやボタンなどを付け加えていきましょう。
- 最後にクレマ部分にミルクフォームをすくって雪のようにドットを描いて完成です。