Lesson10-1 アレンジコーヒー・必要な基本素材をマスターする

ブラックやストレートで楽しむコーヒーも美味しいですが、
コーヒーの楽しみ方の魅力はそれだけではありません。
様々なバリエーションがあり多彩な表情を魅せるアレンジコーヒーも、
コーヒーの魅力の一つでしょう。

アレンジコーヒーには、様々な副食材を用います。
砂糖やミルクなどすでにお馴染みの素材もありますが、
普段何気なく使用しているこれらの素材には、実はコーヒーとの相性があり、
間違ったものを使用することでせっかくのコーヒーの魅力が打ち消されている場合もあります。

Lesson10ではまず、アレンジコーヒーに用いる食材の基礎知識をしっかり学んでから、
アレンジレシピを修得していきましょう。

砂糖

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コーヒーに最適な砂糖とは?

コーヒーに砂糖を入れる方も多いですが、実はコーヒーと砂糖には相性があります。
コーヒーに最適な砂糖は、すっきりとした味で溶けやすいグラニュー糖がベストです。
また、コーヒーシュガーや角砂糖も溶けやすく作られています。

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逆に、コーヒーに適していない砂糖としては、砂糖自体に癖があるものです。
例えば、ブラウンシュガーやミネラル分の多い黒糖は、コーヒーの味に影響を与えてしまいます。
また、上白糖のように溶けにくく舌触りが悪くなるものも避けましょう。

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  • ◎グラニュー糖・・・とけやすくコーヒーの味を邪魔しない
  • ◯角砂糖・・・グラニュー糖とかためたもの。使いやすいが、溶けにくいので分量を調整しにくいという考慮点も覚えておく。
  • ◯地中海産の角砂糖・・・ごつごつとした形の角砂糖。溶けやすくソフトな甘みが特徴。
  • ◯白ザラメ糖・・・製法はグラニュー糖と同じだが粒が大きい。アレンジコーヒーに用いる。
  • ◯コーヒーシュガー(ザラメ糖)・・・茶色い色はカラメルによる着色で、味に癖はないため使いやすい。アレンジコーヒーでは溶けていく過程の味の変化も愉しむことができる。
  • △上白糖・・・とけにくくかたまりやすいため、基本的には使用しない。
  • ☓黒砂糖や三温糖・・・黒砂糖や三温糖はそれ自体の個性が強く、コーヒーの味やフレーバーを打ち消してしまうため、コーヒーには適さない。ただし、あえてその特性を愉しむアレンジコーヒーには使用する場合もある。
  • ☓ブラウンシュガー・・・ブラウンシュガーが持つコクが、コーヒーの風味と相殺しあうため使用しない。

シュガーシロップを手作りする

市販のガムシロップには保存料や人口甘味料が混ざっている場合があるため、
気になる方やお店で提供される場合には、手作りするのがおすすめです。
またアイスコーヒーを飲む場合にも重宝します。

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手作りシュガー・シロップ

材料

1:1の重量比の砂糖と水

作り方

  1. 鍋に水をいれて沸騰させる。
  2. 砂糖を加えて煮溶かす。
  3. 粗熱がとれてから保存容器に移す。
    冷蔵庫で1~2ヶ月の保存が可能。

ミルク

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スチームドミルクとフォームドミルクのおさらい

Lesson11でも学習しましたが、スチームドミルクとは温めたミルク、
フォームドミルクとは温めたミルクで作るミルクの泡のことです。
そのため、フォームドミルクを作る場合にはスチームドミルクも同時に作られます。

お店ではエスプレッソマシンを使用しスチームノズルで作るのが一般的で、
きめ細やかなフォームドミルクが作られますが、専用のマシンがなくても、
ミルクフォーマーや鍋と泡だて器でミルクのフォームを作ることもできます。

ミルクを温める場合には、温度が70℃以上にならないように注意しましょう。
加熱しすぎるとミルクのタンパク質が変性し、味が落ちてしまいます。

フォームドミルクとスチームミルクを作る

Tyler Olson/Shutterstock.com
Tyler Olson/Shutterstock.com

エスプレッソマシンで作る

エスプレッソマシンに付属しているスチームノズルで作る場合には、
冷たい牛乳と充分な大きさのピッチャーを用意します。
Lesson11-3を参照しながら復習してみましょう。

ミルクフォーマーで作る

家庭でも使いやすい小型の物が多く、簡単にフォームドミルクがつくれるのが
ミルクフォーマーの魅力です。
近年では電動式が主流となっており、コーヒーカップの中に直接淹れるスティックタイプのものや、
電子レンジでミルクを温めることができる専用のカップがついたものも人気です。

ミルクフォーマーを使用する場合には、ミルクは事前に温めておくことがポイントです。
この時も、70℃以上にならないように注意しましょう。

鍋で作る

特別な器具がなくても、鍋と泡だて器を使うことで簡単にフォームドミルクを作ることもできます。

鍋に牛乳を入れて火にかけ、温めながら泡だて器で勢いよく撹拌します。
この時も温度に注意しましょう。
70℃以上の高温になると泡立たなくなるため、温度を調整するために火から外します。

クリーム

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アレンジコーヒーに欠かせないクリームは、
牛乳と水分を遠心分離させることで、脂肪分の割合を増やしたものです。
使用用途に応じて適切なものを選ぶと、アレンジ幅が広がり技術も格段にアップします。

クリームの種類

コーヒー用クリーム

コーヒーに直接入れて使用するコーヒークリームは、
クリームの個性が出過ぎないよう脂肪分の割合が少なめです。
ミルクよりも濃厚で、コーヒーの口当たりをマイルドにします。

特徴

  • コーヒーに直接いれる
  • コーヒーの苦味を和らげ、口当たりをマイルドにする
  • 乳脂肪分は20~30%が一般的
  • 生クリームのようなパックに入った動物性のコーヒークリームの他に、ポーションタイプの植物性のものもある。
  • コーヒーフレッシュと呼ばれるポーションタイプのものは、植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせてミルク風に仕上げたものであり、ミルクから作られる生クリームとは異なるもの。クリームらしい濃厚なうまみが少ない。

ホイップ用クリーム

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アレンジコーヒーに欠かせないのが、ホイップして使用する生クリームです。
ホイップの仕方によっても様々な表情を演出できます。
ホイップ用はコーヒー用と比較して乳脂肪分の割合が高く、この乳脂肪分によって、
ホイップした時の泡を固定しなめらかなコシが生まれます。

ケーキなどで生クリームを用いる場合にはクリームにグラニュー糖を加えますが、
アレンジコーヒーに使用する場合も加えてかまいません。
生クリーム180gに対してグラニュー糖10gが基本割合ですが、好みによって甘さを調整しましょう。

特徴

  • ホイップして用いる
  • アレンジコーヒーなどに華やかさやリッチさ、スイーツテイストをプラスする
  • 乳脂肪分は35~45%以上
  • アレンジコーヒーに使用する場合、用途によりホイップの固さを調整できる

粉末クリーム

保存しやすく保存状態を気にしなくてもよい環境で使いやすい粉末タイプのクリームもあります。

特徴

  • 動物性のものと植物性のもの、両方がある
  • 常温で保存できる
  • ホットコーヒーに加えても温度が下がらない
  • クリームらしい舌触りや濃厚なうまみは感じにくい

アレンジコーヒーでのクリームの使い方

ホイップしたものを絞り袋で絞る

表面にたっぷりとトッピングしたり、絞った模様をデザインしたい場合には、
製菓用の絞り袋を用います。
この場合にはしっかりと角が立つ八分立て程度に泡立てましょう。

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ホイップしたものをスプーンでのせる

スプーンですくってのせれば、手軽に生クリームを使用したアレンジコーヒーを楽しめます。
この場合には、ふんわりとした七分立て程度に泡立て、柔らかさを楽しみましょう。

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そのまま注ぐ

牛乳の代わりにそのまま注ぐ事もできます。
アイスカフェラテなど、牛乳よりもさらにリッチさをプラスした場合には、
そのまま注ぐだけでもいつもと違ったテイストになります。

シロップ&ソース

Lesson11-6のフレーバーアレンジでも学習しましたが、
コーヒーをさらに楽しむためのアイテムにシロップやソースがあります。

フレーバーシロップ

輸入食品店などでも手に入りやすい、様々なフレーバーがついた甘いシロップです。
その名前の通り香りが強く、簡単にコーヒーのテイストを変えることができます。

ベーシックなフレーバーシロップとしてまず揃えたいのは、
使いやすいバニラ、シナモンなどのスパイス系フレーバーです。
そのほか、ミルク系のアレンジとの相性がよいアーモンドやヘーゼルナッツなどの
ナッツ系フレーバー、さわやかなテイストが広がるベリー系フレーバーもなどもプラスすることで、
アレンジの幅は無限大に広がります。

基本となるスパイス、ナッツ、ベリー、フルーツの他に、
キャラメルやクッキーアンドクリームなどのスイーツフレーバー、
フローラルフレーバーのシロップなどもあります。

スパイス系

どんなコーヒーにも合わせやすく、ベーシックに使いやすいシロップ。
バニラ、メープル、シナモン、チャイミックスなど、種類も多く、組み合わせもしやすい。

ナッツ系

アレンジコーヒーに使いやすく、多くの人が好まれるシロップ。
テイストが似ているため数種類を組み合わせてもよく、
仕上げにローストしたナッツなどをトッピングしてもよい。

ベリー系

女性が好むアレンジコーヒーを作るなら、欠かせないのがベリー系のフレーバーフレーバーシロップ。
ミルクアレンジにも最適で、ストロベリーやラズベリーなどの赤やピンクは、
仕上がり色も美しく見た目でも楽しめる。

フルーツ系

柑橘類やトロピカルフルーツのフレーバーは意外にもコーヒーとの相性がよいので、
挑戦したいフレーバー。
特にレモンはそのままコーヒーに入れても楽しめる。

ソース

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アレンジコーヒーに欠かせないソースといえば、チョコレートソースです。
モカアレンジはもちろん、チョコレートソースをプラスするだけで
アレンジコーヒーに深みがプラスされます。
市販のものもありますが、保存料や添加物が気にある場合には手作りがお勧めです。
甘さや濃度の調節ができるのも手作りの魅力です。

その他、ジャムをすこし水で解いたベリーソースやアプリコットソースなど、
自由な発想で使用できます。

手作りチョコレートソース

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材料(約300ml)

  • ココアパウダー・・・75g
  • グラニュー糖・・・140g
  • 水・・・150ml
  • 生クリーム(乳脂肪分35%以上)・・・75ml

作り方

  1. ボウルにココアパウダーとグラニュ糖を入れて泡だて器で軽く混ぜる。
  2. 分量の水を沸かして熱湯にし、①に少しずつ注ぎ入れて混ぜあわせ、生クリームを加えてさらに混ぜる。
  3. なめらかになったら、こし器やざるなどで塊を取りのぞき、さらに滑らかにして完成。
  4. 保存容器などにいれて、冷蔵庫で保存する。

リキュール

アレンジコーヒーを大人テイストにするには、リキュールを用いましょう。
フレーバーシロップとの違いは、アルコールが含まれている点ですが、使い方は同様です。
シロップ同様様々なフレーバーがあります。

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その他のアレンジ食材

アレンジコーヒーの幅を更に広げるプラス食材もあります。

  • コンデンスミルク
  • ブランデー
  • ウイスキー
  • ラム酒
  • ワイン(特に赤)
  • シナモンスティックやクローブなどのホールスパイス、スパイスパウダー
  • マシュマロ
  • ローストナッツ
  • ココナッツファインはココナッツロング・・・など

カップ&グラス

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カップやグラスには様々な形状がありますが、これは単に見た目だけの問題ではなく、
味にも影響します。
カプチーノカップの部分でも少し学習しましたが、
改めてカップやグラスの選び方や違いについて学んでいきましょう。

形状の違いによる味の変化

カップの形状と味の違いの関係は、舌の味覚位置と関係しています。
舌には味を感じるセンサがーありますが、舌先には甘さと辛さ中間の左右が酸味
奥に苦味を感じるセンサーが位置しています。

これをカップの形状に当てはめると、下記のような感じ方の違いが生まれます。

縁の広がりによる変化

  • 縁が広がっているカップ・・・すぐに口全体にコーヒーが広がり、舌の左右にある酸味センサーで酸味を感じやすくなる。
  • 縁がまっすぐなカップ・・・コーヒーが直線上に奥に流れ込み、苦味を強く感じやすくなる。

厚みによる口当たりの変化

カップには形状の他に厚みにも違いがあり、これはコーヒーの口当たりに関係します。

カップの厚みによる変化

  • 縁が薄いカップ・・・口に当たる感覚が繊細で、軽やかな味わいを感じやすくなる。軽やかな酸味を楽しむコーヒーに適している。
  • 縁が厚いカップ・・・口にあたる感覚がはっきりしており、くっきりとした味わいをかんじやすくなる。しっかりとした苦味を楽しむコーヒーに適している。

次からはここで学習した様々なアレンジ食材を活用し、
実際にアレンジコーヒーをマスターしていきましょう。